2025/01/29 21:59

 オーダーメイドをやろうと決めた背景①ピークドラペルとの出会い

【私が経験した人生初のオーダー】

大学を卒業し就職を決めた私に父親が、社会人は礼服はきちんとしたものを着なさいと、自宅に仕立て屋さんを呼んで礼服を作ってくれました。礼服=黒い服、以上、としか思っていなかった私の前に並べられた様々な表情をした「黒い」布たち。黒い布にこんなにも表情の違いがあることに感嘆をしたことを今でも鮮明に覚えています。選んだのはイギリスのウィリアム・ハルステッドのモヘアでした。撚りの強い太めのモヘアなので織り目が広くなり、厚めのしっかりした生地なのに通気性もよく4シーズン通して使っています。襟についても様々なモノがありましたが、私はピークドラペルとしました。40年前に初の礼服を作ってもらったのです。


【仕立て直し】
そんな礼服も35年経って形も古くさすがに着ることができなくなって困っていたのですが、生地の魅力を忘れることができなくてテーラーに相談したところ、直せばこの先も使えますと言われ、ほとんどの部分をばらして、仕立て直す道を選びました。一着作るより高くつきましたが、肩もスッキリし細身になったボディにも35年前のピークドラペルが誇らしげに光っていました。あと30年付き合ってもらいます。これで、元は取れるでしょ()

少し高い買い物で、直しにもお金がかかっちゃいましたが、1着で70年使えたら素晴らしいことと感じていますし、SDGsではないですが、モノを大切にすること、愛着を持って付き合うことを教えてもらったと思っています。イギリスの文化でもありますよね。


MONKのカバンが愛されますように】
やはり、よいモノではないと、長く使えなし、長く使いたいとも思えないと思っているのです。
MONKのカバンが使う人に愛されて使い古され、持ち込まれてくることを今後の楽しみにしつつ、一つひとつを丁寧にお届けできるよう頑張っていきます。